2.機能的疾患
a 過敏性腸症候群
大腸の痙攣が強く、そのために腹痛や便秘・下痢といった症状が起こってくる機能的疾患です。便秘と下痢が交代に起こることも多い。
便は細くなったり、コロコロ兎糞状になったりします。環境の変化や精神的影響によって起こってくることが多く近年慢性の下痢や腹痛で病院に受診される方の大半はこの疾患といわれています。
b 機能的便秘
癌やポリープ等の器質的疾患でなく、大腸の働きの異常で起こってくるタイプの便秘を機能的便秘と総称します。便秘の原因の大半を占め近年腫腫の生理学的検査によって的確な診断治療ができるようになって来ています機能的便秘はその病態によって以下の三通りに分類されています。
1) 弛緩性便秘
大腸の動きが遅いため起こってくる便秘です。週に1∼3回の排便が無いにも拘らずあまりお腹は張らないという人が多い
2) 痙攣性便秘
過敏性腸症候群の便秘型です。排便に関与する下行・S字状結腸が痙攣しすぎるため便の通過が妨げられ、結果として右側大腸に便が貯留してきます。毎日少しずつ排便があるがお腹がはって仕方ないというのが典型的な症状です。また、食事や環境などによっても症状が変わるというのも特徴です。
3) 直腸肛門製便秘
大腸の動きは正常だが直腸や肛門に動きの異常があり便の排出が出来ないものをいいます。的確な診断治療によって症状は改善します。
c 巨大結腸症
神経細胞の減少などが原因で大腸がその直径を増し異常に太くなったものをいい、狭窄が原因をなることもあります。